ふつうの人に、何ができる?

四季に寄り添った暮らしがしたい*フツウの会社員だった私が、新しいことをやってみた記録や、日常のことを綴ります

元補聴器販売員が教える!他人事じゃない!難聴と補聴器。

こんばんは、がーなです。

 

今現在ニートなわけですが、以前補聴器専門商社に勤めておりました。

 

難聴に関してはまだまだ世の中に認知されてないなー、勘違いされてるなーと感じることが多かったので、忘れないうちに。

 《目次》

 

 

難聴について

 

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まず、歳をとればほとんどの人が軽度難聴くらいにはなると思います。

 

一時期流行ったモスキート音ってご存知でしょうか。

 

子供には聞こえて大人には聞こえない音

あれは単純に、年齢とともに聴力の高域が下り、聞こえなくなっただけです。

 

つまり、生まれた時と比べたら誰でも聴力は低下してきています。

 

そのスピードが人によって違う為、軽度難聴の人もいれば高度難聴の人もいる、といった感じです。

 

なぜ高域から下がるのか、
難しく説明してもわからないので(というか難しく言うのが難しいw

 

簡単に言うと、
耳を酷使していくと高域~中域~低域という順番で細胞が傷ついていき使い物にならなくなるから(一度傷ついたら戻ることはない)。

 

イマドキの若者は、
通勤・通学はイヤホンガンガン、ライブ参戦、車のBGMは爆音

…どう考えても耳を酷使しすぎです。


つまり、いまの高齢者と比較すると難聴になるスピードは早いと考えられます。親世代の年齢の頃には既に補聴器必須なのではないでしょうか。

 

事実、今まで何百何千人難聴の方を見てきましたが、職業をきくと

 

  • 鉄工場
  • 機織り場
  • トンネル工事

 

など、常に大きな音が鳴っている場所で勤められていた方が多いです。

 

若者の皆様、
イヤホン、ほんとに危険です。

 

そしてもう一度言います。
一度傷ついた聴力に関する細胞は元には戻らない可能性が高いです。

 

ちなみに、突発性難聴の場合は即治療で回復が期待できますが、放置するとそのままになる方が多いです。

 

伝音性難聴の場合も、治療で回復が期待できます。

 

あとは耳の中に巨大な耳垢があって聞こえないだけの場合もありますね。

 


そして、医師から治療ではもう回復しないと言われたら、

 

‥‥補聴器の出番です。

 

 

 

 

補聴器について 

補聴器をつけた難聴の方との会話方法

 

今まで大きな声を出して会話をしていたご家族の方、お疲れ様でした。

補聴器を入れることで大きな声は必要なくなります。というか

大きな声を出して話されると逆に聞き取れないです!!!

音が割れてしまうので、大きな声ではなく文節ごとに区切って、顔見ながらお話して下さい。

そうすると、今まで会話が難しかった方とでも、お話が出来るようになります。100%は無理ですが。

 

補聴器を入れたら絶対に聞こえる、は間違い

勿論、補聴器で音は入ってくるようになります。

ですが、人間には聴力とは別に、語音弁別能というものがあります。

言葉を聞き取る、理解する力ですね。

こちらの能力が下がってしまうと、補聴器を入れても音が入ってくるだけで発音がわからないという状況になります。

これをよく、
補聴器を入れても何も聞こえないじゃないか!!高い金払ったのに!!と補聴器のせいにする方がいらっしゃいますが、

 

…いや、あなたの語音弁別能が下がっているせいですから。

 

と補聴器屋さんは言えないんですよ。
言いたいけど医師じゃないから言ったらダメなんですよ。

でも補聴器入れなかったらもっと危ないですよ。後ろから車が近づいてきてもわからないでしょ?

 

…という話です。

ちなみに語音弁別能が50%以下だと、厳しいなぁ‥という感じです。
50%切るのは大体高齢の方です。現役世代で難聴になった、という方は割と語音弁別能は高い数値なので補聴器の効果が出やすいです。

 

補聴器から雑音がする、は間違い

 

よく「補聴器なんて雑音がするから買わなければよかった」と仰る方がいます。

それは、
雑音ではなく、日常で鳴っている音です。

難聴になると小さい音から聞こえなくなりますよね。

例えば、

  • 換気扇・空調の音
  • 新聞をめくる紙の音
  • 水道の水が流れる
  • スリッパで歩いている時の音  

私たちが生活している環境は、常に何かの音がしています。

どんなに静かな場所でも40dBくらいの音は出ています。
今は騒音計のアプリもあるので気になる方はダウンロードして自分の部屋で測定してみて下さい。

健常者はそれが当たり前なので、雑音とは思いません。

しかし難聴者は、そのような小さな音は既に聞こえていないので、聞こえないことが当たり前になっています。

補聴器を入れることで、今まで聞こえなかったそのような小さな音が入ってきます。

これは何の音?こんな音今までなかった!雑音だ!となるわけです。

補聴器をつけてから、音の覚え直し・リハビリが必要なわけです。

メガネはつければすぐ見えますが、補聴器はリハビリ要素が強いので、自分のものになるまで日数を要します。

そしてその日数は、補聴器をつけた時期によって異なります。

軽度難聴の時点で補聴器をつけられた方は、覚え直す音も少ないので、慣れるのに時間はかからない方が多いです。

高度難聴の時点で補聴器をつけられた方は、覚え直す音が多いので、雑音に感じる音がそれだけ多いです。つまり慣れるのに時間がかかります。

 

「補聴器は、もっと聞こえなくなってからでいいわぁ~」

 

と仰る方がいらっしゃいますが、難聴がすすんでからつけると後々苦労します。

最近、難聴と認知症の関係性についても発表されました。聞こえない状態を放置すると脳に刺激がいかず、認知症に繋がる可能性があるとのことです。

今の補聴器はかなり精度もあがっているので、入ってくる騒音をなめらかにする機能がついたものもあります。

そのような雑音抑制機能が強いものは値段が高いです。お求めやすいものは雑音抑制機能が弱いので、騒音の多い環境で装用したい方はやはり上のクラスのものの方が良いですね。ちなみに一番高いものだと片耳50万くらいします。補聴器は精密機械であり、毎日使用するわけですから耐用年数は短く5年ほどとなります。汗が多かったり、耳垢湿性だったり、メンテナンスをサボる人はもっと短くなります。


まだまだ書きたいことはありますが、今回はここまでとします。

 

以上!