ふつうの人に、何ができる?

四季に寄り添った暮らしがしたい*フツウの会社員だった私が、新しいことをやってみた記録や、日常のことを綴ります

福井県池田町で、若葉のふるさと協力隊、やってみた。

こんばんは!がーなです。

8/25~29の5日間、若葉のふるさと協力隊として、福井県池田町へ派遣されました!

得るものが多かった5日間。協力隊に興味があってもなくても、池田町については知ってほしい。どうかお付き合いください!

《目次》

 

若葉のふるさと協力隊とは?

若葉のふるさと協力隊とは、特定非営利活動法人地球緑化センターのプログラムである緑のふるさと協力隊の短期バージョンです。

「緑のふるさと協力隊」は、農山村に興味をもつ若者が、地域再生に取り組む地方自治体に1年間住民として暮らしながら、地域密着型の活動に携わるプログラムです。

引用:地球緑化センターホームぺージより

以前から緑のふるさと協力隊には関心がありましたが、任期が1年間あることや、派遣先の希望が通るかわからない上に、原則として家から遠く離れたところへ派遣されるということが参加を躊躇う原因となっていました。

農山村暮らしへの関心度が高い私は、地域活性化への取り組みを積極的に行っている全国の地域はかなりチェックしています。

ですから、どこでもいいというわけではなく「ここの地域にいってみたい」というある程度の希望があります。関心のないところへ派遣されるのは嫌だな〜と思っていました。

そんな中、Facebookで流れてきたのは「若葉のふるさと協力隊」の情報。5日間ならそんなに肩肘はらずに体験できるし、派遣先を1つ希望して申し込むので、第1希望が通らなかったから違うところへ行きなさいともならなさそうだったので安心。(定員はあります)

開催地域の中に福井県池田町を発見し、応募先は即決。福井県池田町は、日頃からSNSでイベント情報等チェックしており、以前から「いつか行こう」と決めていた場所。

そんなこんなで私にぴったりの制度だったので、すぐにFAXで応募、入金しました。

翌日には地球緑化センターから電話がかかってきて軽い説明を受けました。その時まで定員に滑り込めたのかわからない状態だったので「定員に入れたということですか?」とその電話で聞きました。詳しい案内は、後日郵送で送られてきます。

 

 

協力隊としての5日間

1日目

町役場にてオリエンテーション観光協会にて池田町の説明、食料買い出し、かずら橋散策、温泉、居酒屋にて懇親会

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かずら橋:異性と渡ったらカップルになって帰ってこれるそう。笑

2日目 

地元の方がつくったビオトープ見学、山歩き(わさび、ミョウガ取り)、清水谷隧道探検、能面美術館見学、蕎麦屋さんで昼食、地元の方の畑でズイキ収穫・すこ作り、農業公社見学・トマト収穫、温泉、地元の若者とバーベキュー

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ズイキの皮むき中。このあとすこという酢の物を作ります。もんぺがワタシ。

3日目

生命にやさしい米の審査会・圃場見学、母屋・まちの駅にて昼食、池田町観光(龍双ヶ滝・部子山)、地元の方たちとバーベキュー(猪肉など)、温泉

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池田町の田んぼ。無農薬・減農薬で作っているところも多く、農薬や肥料の使用度でランクがつけられる。年に1度審査会が開かれる。生命にやさしい環境だから赤トンボも多いし、福井県大の教授からもすごく褒められてた!

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龍双ヶ滝:滝壺がない滝。荘厳!

4日目

食Uターン活動(生ゴミ回収)、獣害(カラス)駆除、農機具・倉庫見学、牛舎見学、新聞社の取材を受ける、稲わらロール巻き、ローカルな定食屋さんで昼食、堆肥づくり工場見学、移住者の方のお宅見学、ジップライン体験、古民家食堂でシシ肉の串焼きを頂く・地元の方とお話、エコキャンドルづくり、温泉、コーディネーター・協力隊メンバーで最後の晩餐

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月水金で町内の生ゴミを当番制で回収。それがこの堆肥(土魂壌)になる。生ゴミを無駄にしない取り組み。

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ジップライン:山の中を風を切って駆け抜ける!次ナイトジップ来たい!

5日目

町役場にて閉会式・参加証授与

解散

 

宿泊場所は緑のふるさと協力隊OBで今回のコーディネーターの方のお宅。1人1部屋の個室で快適…!風呂は毎晩温泉。贅沢。

私たちの活動のためにどれだけの方が動いてくださったかわからないほどお世話になりました。田舎では車がないと移動はできません。どこへ行くにしても車で送ってもらうという状況。

協力隊とは名ばかりで、こちらが協力するというよりはむしろもてなされてしまったという感じが否めません。

ですから、派遣先にもよるとは思いますがこの若葉のふるさと協力隊は、田舎のことを何も知らないという方でも田舎暮らしの導入として気軽に体験できる制度かなと思います。いや、もっと積極的に動くべきだったのかもしれませんが…本当に池田町の方々には感謝しかないです。

今回、私以外の協力隊3名は大都市から来ていて「こういうの参加するの初めて」と言っていました。

以前記事にもしたWWOOFとは若干ターゲット層が異なりそう。WWOOFはある程度の生活・労働(時には語学)スキルが期待されるので、活動先によってはオマエツカエナイって言われそうだなワタシ…頑張ろ。

 WWOOFの記事はコチラ↓

 

ghanabun.hatenablog.com

 

 

福井県池田町は田舎の神髄を味わえる場所

池田町1番の魅力とは

福井の県庁所在地である福井市から山の方へ40分ほど車を走らせていくと次第に緑が深まっていき、その先にあるのが池田町。

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明け方に山々にかかる雲海。爽やかな風と澄んだ空気。金色に揺れる稲穂の波。清らかな川の流れ。夕暮れ時にピンク色に染まる空。月明かりが照らす本当の夜。そこで採れた米や野菜、猪などの肉をいただく。

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池田町ではナリワイや暮らしと生が直結し、豊かな里山の自然と共に生きる池田町の魅力は語り尽くすことができないほどです。

だけどしかし!!!

そんな池田町でしばらく暮らして感じたことは、池田町の1番の魅力は〝人〟であるということ。

地方創生や地域活性化、地域おこし、田舎暮らし、移住・・・というワードに敏感な人にとっては周知の事実かもしれませんが、移住者多きところに魅力的な人物あり。日本全国探せば、豊かな自然に囲まれて暮らせるところは沢山あるけれど、移住者は魅力的な人が多いところに引き寄せられる。

今回のコーディネーターの方も「池田町には魅力ある人が沢山いるから、沢山の人に会ってほしい」との考えをお持ちで「さすが・・・!」となりました。

おかげさまで、沢山の池田町の魅力的な方々と接する機会がありました。

他の田舎との違い

私の故郷もいわゆる「田舎」なので田舎の良し悪しは分かっているつもりです。田舎の悪い点としては新しく入ってきた人を「ヨソモノ」と線引きしてしまう地域が多いということ。

しかし、池田町の人々は初めて会った瞬間から「ヨソモノ」扱いをせず、家族のように接して下さいました

そもそも、どこの誰だか聞く前に普通に会話が始まります。

私がもんぺを履いていたら「あら~かっこええねぇ」「かわらしの履いとるねぇ」とおばあちゃん達が寄ってきて、いやいや、おばあちゃん達の方がよっぽどかわらしいわいね!!!と思いました(お年寄り大大大スキ)

道の駅でゆっくりしてたら「これ食べんか」「よかったら食べてみて感想教えてね」とか、見ず知らずの私達にドンドンおすそ分けが集まってきたり…

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スイートポテトのおすそ分け。この他にシフォンケーキとかフライドポテトとかガトーショコラとか頂いた。皆さん優しすぎるよぉ…

近年、地方創生や田舎暮らしが注目され、移住もブームとなりつつありますが、池田町では20年以上前からその動きがあったとのこと。

やはり最初は今のようにはいかなかったことと思います。今の池田町の温かい空気は、先人の移住者の皆さんが築いてきた信頼の結晶だね・・・!

都会から田舎に憧れることはよく聞く話で、私のような田舎者が田舎の生活に憧れることは珍しいです。(周りでそういう仲間を探してても見つからないので;;)

そんな田舎者目線から見ても「こんな素敵なところは他にあるだろうか」と思うほどでした。

他では消えつつある田舎の良い面が色濃く残り、それがギュッと詰まっているという印象。

さらに、新しいアイディアで他に誇れる町独自の様々な取り組みもあり、強い一体感がある町。

「町を良くしていこう」という想いを持った人が、老若男女に関わらず数多く存在していることに驚きが隠せない。ウチの村ではもはや、若い人はあんまり村の行事とか参加しなくなってるし。

別れ際は誰の口からも必ず「また来てね」という言葉が。何度も何度も言ってきたり、「ほんとやぞ!?」と念押ししてきたり。社交辞令じゃない!

 

 

最後に:復活しました。

正直、池田町へ行く前までは「私、フツウに戻ろうかな。そこそこ栄えてる土地で暮らして、フツウのOLやって安定した収入得て、フツウの人と結婚する人生でもいいのかも」と思い始めてました。

周りから変わってると言われるけど、私は地域の暮らしに溶け込めるような田舎で、四季や時間の流れを感じながら生活を送り、その土地の活性化に繋がるようなナリワイを見つけて、そこで家族を作っていくのが夢です。

今のところ何もかも未定で、それを探している状況です。無職なので。笑

この生活を始める前はそれなりにレールに沿った人生でした。国立大学に入って、就活して、社会人になって。

今となっては大卒・商社勤めの会社員という肩書きを捨て、長年付き合っていた大企業にお勤めのパートナーも自らお別れしてしまい、人生リセット。かなりの方向転換をしました。

しかし現状、あまり先が見えずこのまま探し続けても理想の暮らしや仕事、そして私と同じ生き方を好む人って存在するのかな?という不安を抱き始めていました。

でも、池田町には私の理想とする暮らしをしている人たちが沢山いて。ご夫婦で池田町の奥に住まれてた方の暮らし、素敵だったな〜。

SNSや雑誌でしか見たことのなかった人や暮らしに触れ、あ、夢で終わらなくてもいいのかも、と思えました。

ワタシ、復活!!!

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いただいたこちらの本に、池田町の素敵な方々のお話が沢山…!ありがとうございます!

どこかへ移住するか、地元にとどまるかは未定ですが「家も畑もあるからね!!!」と池田町の方から言われているので、心強いなと思うと同時に池田町の方々の懐の広さに感服しました。

最近色々動く中で1つぼんやり思ってることは「北陸で根を下ろそうかな」なので、福井県も圏内です!

 

池田町の豊かな自然や、出会った人々。刺激的で忘れられない5日間でした。

幸い、自宅から車で1時間程度で行けてしまう池田町。

次は友達を連れてって、まわれなかったところをまわりたい!ジップラインまたやりたい!!

そしてまた、池田町の皆さんに会いに行きたいです。

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福井新聞掲載記事

(ワタシ、都会の若者ジャナイヨ…) 

 

以上!